どうも、こんにちは。
職人のたまご、奥村です。
僕が担当しているは、仕上げ作業。
彫刻刀の切れ味をつける大事な工程です。
(写真:仕上げ作業は、彫刻刀の刃を高速回転するバフに当てること)
職人になって1年。
最初のころに比べると、手際よく作業に取り組めるようになってきました。
しかし最近。
作業スピードに頭打ちが見られるようになりました。
これまでは、作業に「慣れる」ことがスピードアップにつながっていました。
しかし今はもう、作業に慣れてしまっています。
慣れてしまったということは、これ以上「慣れ」によるスピードアップは望めません。
そこで僕は考えました。
さらなるスピードの高みを目指すべく、考えたこと。
それは、ボトルネックを探すことです。
ボトルネックとは、スムーズな作業進行のさまたげとなる要因のことです。
せっかくスムーズに流れているのに、ある要因のせいで流れが詰まってしまうことをいいます。
(図:ボトルネックの説明)
ボトルネックの考えをもって、僕の作業で一番遅い部分を探ってみました。
そうすると、決定的に作業が遅い部分が見つかりました。
それは、仕上げ作業そのもののスピードより、「作業にとりかかるための準備が遅かった」ことです。
つまり、作業以外の時間の使い方が甘かったということ。
例えば、「作業に使う道具の準備や片付けにかかる時間が長い」など。
おそらく1日トータルで、100本ほどロスしているのではないかと思います。
作業をするための準備をあたふたしているせいで、本来仕上げられるべき100本が0本になっているのです。
例えばの話。
1本100円の価値があるとすると100本で1万円。
それを月22日勤務で換算すると、22万円。
つまり、1か月に22万円分もの生産力をロスしているという計算になります。
ロスをなくすために、作業以外の時間の使い方を意識しないといけません。
ところで、ボトルネックはおもしろいですね。
今回は、彫刻刀の仕上げにおける一連の動作の中でボトルネックを探しました。
世の中は意外と、ボトルネックであふれているのではないでしょうか。
車の渋滞もそうですし、朝の身支度が遅いのもそうですよね。
時間の使い方が下手だったり、もっと効率をよくしたいと考えるのなら、ボトルネックの観点で物事を見るといいかもしれません。
ほじゃ、今回はこのへんで。