【問題】なぜここに輪ゴムをつけているでしょう

こんにちは。

職人のたまご、奥村です。

 

突然ですが、下の写真を見てください。

 

(写真:ヤットコ)

 

これは、彫刻刀職人の道具である「ヤットコ」です。

なぜ、取っ手に輪ゴムがついているか、わかりますか?

 

ヤットコの工夫

(写真:切れ味を付ける瞬間)

 

上の写真のように、彫刻刀の刃をヤットコではさみ、高速回転するバフに刃先を当てることで切れ味が付きます。

その際、刃先をより正確にバフに当てるために、ヤットコを繊細にコントロールする必要があります。

 

そんなときに、輪ゴムが役に立つのです。

輪ゴムを取っ手につけることで滑り止めになり、ヤットコをコントロールしやすくなります。

 

(写真:握った時にゴムが滑り止めになる)

 

僕が考える輪ゴムの役割は、滑り止めだけではありません。

できるだけ握力を使わなくても済む位置に、輪ゴムを取り付けているのです。

 

作業は1日中続くので、ずっとヤットコを握っていると握力が疲れてきます。

疲れた状態ではうまく刃先をバフに命中させることも難しくなるため、できるだけ省エネで握り続けたほうが良いのです。

 

ただやみくもに滑り止めとして取っ手に輪ゴムを付けているのではなく、手の疲労を軽減することも考えて付けているということですね。

 

(写真:輪ゴムを付ける位置にもこだわりがある)

 

まだまだいろんな作業環境で工夫ができそうな気がします。

大事なのは、常に改善のアンテナを張ること。

意識し続けることで、新しいアイデアや工夫がひょっこり顔を出すかもしれませんから。

 

快適な作業は、質の高い彫刻刀を製造することにもつながります。

これからも日々目的意識を持って作業に励んでいきたいと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。