【職たま日記】彫刻刀の刃を上手に整えるために、サルになってみた。

最悪だ。

連日の、中丸刀の刃を整える作業のせいで。

とうとう夢にまで、中丸刀が出てきよった…。

 

おかげで朝起きても、目の疲れがとれてない。

夢の中でさえ、刃先を凝視していたんです。

 

朝起きて、つぶやいた一言が。

 

 

おはようございます。

寝ても覚めても作業をしている職人のたまご、奥村です。

 

 

さて、夢にも出てきてしまうほど。

中丸刀の刃の形を整える作業に没頭しています。

 

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(写真:サンドペーパーで、彫刻刀の刃の表面を整える作業の様子)

 

ー前回のお話ー

中丸刀の刃を整える作業が、なかなか思うようにできず、悪戦苦闘。

先輩職人の手ほどきを受けながら技を覚えているのですが…。

なかなかコツをつかむことができない、というお話でした。

前回の記事【職たま日記】彫刻刀の刃の形を整える作業

 

 

ここ最近は、ようやくコツをつかみ始めました。

少しずつ、作業スピードも早まってきたかなと思います。

ほんの少しですけどね。

 

 

 

 

今回のお話は。

さらに上達を加速するべく、僕がとった手段についてお話します。

 

何をしたかというと。

先輩職人の技を見てマネた。

それだけです。

 

先輩職人は、おそらく何10万本もの彫刻刀の刃を整えてきました。

100万本以上かもしれません。

どんなにゆがんだ刃でも、一発で整えてしまいます。

 

 

 

 

そんな先輩職人の手の動きやスピードを僕は見ます。

そして実際にその通りに動かしてみます。

 

まさにサルマネ

サルが考えもなく、ただむやみに動作をマネするように。

僕は先輩職人の技をマネしてみる。

 

 

 

さて、問題。

先輩職人のマネをしたら、上手にできたか否か。

 

正解は、できないでした。

まぁ…当たり前ですよね。

 

いくら動作をマネしたって、感覚が違うわけですから。

サンドペーパーに刃を押し付ける力加減などは、目で見てわかるものではないですよね。

 

 

 

それでも僕は、マネし続けました。

先輩職人の動きを見ては試す、見ては試すの繰り返しです。

まるでサルのように。

 

なぜうまくできないことがわかっているのに、マネをし続けるのか。

これには、ちゃんと僕なりの理由があります。

 

マネし続けると感覚が養われていくのです。

数をこなしていくうちに、力加減や感触がわかってくるのです。

 

 

 

まさに数をこなして質を養う。

野球の千本ノックみたいな感じですね。

 

やはり感覚を養うには数をこなすのが一番。

習うより慣れよ。

考えるより感じろ。

みたいなイメージです。

 

そんな感じで先輩職人のマネをした結果。

少しずつスムーズに、中丸刀の刃を整える感覚がわかってきました。

 

 

あとは、養った感覚の精度を高めていくのみです。

これからおそらく、何千、何万本とこなしていきます。

 

今はまだ、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる状態ですが。

1発で仕留められるように、ガンガン数をこなしていきたいです!

 

 

ほじゃ、今回はこのへんで。