こんにちは。
義春刃物の彫刻刀職人、奥村です。
今回は、「彫刻刀のメンテナンスの仕方」についてお話します。
もくじ
彫刻刀を長く使用すると…
(写真:よしはる彫刻刀)
彫刻刀を長く使用していると、下記のようなことが起こります。
- 刃の部分がサビてくる
- 切れ味が落ちてくる
そこで、少しでも良い状態に保つために、使用後にきちんとメンテナンスをすることが大切になってきます。
錆(サビ)を防ぐための方法
(写真:切出し刀)
義春刃物では彫刻刀を出荷する際に、サビ防止のための油を塗布しています。
したがって、未使用の状態では、よほどのことがない限りサビの心配はありません。
しかし、彫刻刀を使用すると、刃に木くずやホコリがついたり、手の脂がついてしまうことがあります。
つまり、彫刻刀は長く使用すればするほど、ホコリや水分、または皮脂などによってサビてしまう可能性が高くなります。
サビないようにするためには、「水分や汚れが刃についた状態で保管しないこと」が大切です。
彫刻刀の使用後は、乾いた布などでキレイに拭き取るようにしましょう。
切れ味が鈍くなったら砥石で研ぐ
(写真:砥石で平刀を研ぐ様子)
何度も彫刻刀を使用していると、だんだんと切れ味が落ちてきます。
切れ味の鈍い彫刻刀は、余計な力を加えなければ木を彫ることができなくなります。
何かの拍子に勢いあまって彫刻刀を滑らせてしまうこともあり、怪我のリスクが高くなってしまいます。
切れ味の鈍くなった彫刻刀を砥石を使って研ぎ直すと、新品同様の切れ味が復活します。
砥石の詳しい使い方は下記ページをご参照ください。
常に良い状態の彫刻刀を使うために
サビがつかないように、使用後は刃についた汚れを乾いた布などで拭き取りましょう。
彫刻刀の切れ味が落ちてきたら、砥石でしっかり研いで新品同様の切れ味に復活させましょう。
彫刻刀を長く愛用していただくために、使用後にはしっかりメンテナンスすることをおすすめします。
研ぎ直しをプロにお願いしたいという方は、下記の記事をご覧ください。
彫刻刀の刃の種類ごとの彫り方を知りたい方は、下記の記事が参考になります。