こんにちは。
職人のたまご、奥村です。
「年を取ると時間の流れが速くなる」とよく言われませんか?
僕自身も30歳を超え、身をもって感じることが多くなってきました。
ボーっとしていたら、あっという間に今年が終わってしまいそうです。
1分1秒を噛みしめるように生きていきたいところですね。
効率の良い彫刻刀生産
彫刻刀の作業でも、スピードはやはり大切。
きびきびとした動きで取り組むことで、より多くの彫刻刀を仕上げることができます。
しかし、やみくもに素早く動くだけではいけません。
どこの部分を素早くするのかをしっかり把握することがポイントです。
例えば、彫刻刀に切れ味を付ける作業。
高速回転するバフに彫刻刀の刃先を当てることでバリがとれ、切れ味が付きます。
(写真:刃先に切れ味が付く瞬間)
このとき、たくさん生産したいからといって、バフに刃を当てる時間を短くしすぎてはいけません。
バリが残ってしまい、切れ味が鈍くなってしまうからです。
スピードを求めすぎて切れ味をおろそかにするのは本末転倒ですよね。
では、しっかりと切れ味を保ちつつ、1本でも多く生産するためにはどうすればよいか。
キーワードは「スキマ時間の効率化」です。
切れ味を付ける以外の時間を徹底的に短縮していくことが、質、量ともに十分な彫刻刀生産につながります。
僕の場合、バフの手入れに時間をかけすぎる傾向があります。
バフは使っていくうちにだんだんと硬くなってきますが、硬くなりすぎると彫刻刀の刃先が必要以上に磨かれてしまうことがあります。
それを防ぐために、定期的にバフをほぐしてやり、ほどよく磨ける柔らかさにするのです。
(写真:バフは常に手入れが必要)
僕はいつも、自分の納得できる柔らかさにするために、丁寧にバフをほぐしています。
しかし、あまりにこだわりすぎて手入れの時間が長引いてしまうことがあります。
この時間のロスは、おそらくは1日当たり100本ほどの彫刻刀生産をロスしているのではなかろうか。
今後は、このロスをなくすために、効率の良いバフの手入れの仕方を考えていこうと思います。
1日8時間の労働の中で、いかに多くの彫刻刀を生産できるか。
もちろん1本1本の質は高いものでなくてはなりません。
質と量ともに充実できるように、自分の作業における時間の掛け方を見つめ直していこうと思う次第です。
最後までお読みいただきありがとうございました。