こんにちは。
職人のたまご、奥村です。
2022年3月をもちまして、彫刻刀職人になって丸6年になります。
そろそろ「職人のたまご」を卒業してもいいころではないでしょうか。
特に卒業するにあたって明確な基準があるわけではありません。
しかし、いつまでも「たまご」のままだと、現状に甘んじてしまいますからね。
というわけで、さらなる飛躍のために「たまご」の殻を破りたいと思います。
「職人のたまご日記」が100記事に到達したら、新たなる出発するつもりです。
日記名の良いネーミングを考えておかないといけませんね。
さて、100記事まで残り3記事。
2016年からずいぶんとたくさん書いてきました。
そこで今回は、個人的に思い入れの深い記事をランキング形式で5本取り上げてみようと思います。
もくじ
「職人のたまご日記」個人的ベスト5
第5位 2017年8月31日「関の工場参観日に、僕に課された試練とは?」
2017年の「関の工場参観日」で、初めてオリエンテーションを任されました。
10分間という短い時間でいかに興味深く、わかりやすく説明できるかを考えながらプレゼン資料を作るのが楽しかったです。
ただ説明するだけでは面白くないと思い、「プレゼン中にどよめきを1回は起こす」というミッションを自分に課しました。
そして本番、言葉に詰まったり噛みながらも、見事お客さんの「おぉ~!」とか「へぇ~!」という驚きの声をゲットできました。
どうしたらお客さんを驚かせることができるのかを真剣に考え、試行錯誤した結果、自分の意図したとおりになったのは、本当に嬉しかったです。
第4位 2018年6月27日「【職人のたまご日記】職人の僕が考案した『とりあえず、数万回理論』とは?」
「技術習得は、数をたくさんこなすことが重要」ということは周知の事実ですが、僕の場合、ひとつの種類の彫刻刀を仕上げる技術を身につけるまでに、数万回手を動かしてきました。
最初はぎこちない動作だったのが、回数を重ねるたびに洗練されていくのを肌感覚で体感することができました。
驚いたのは、試行錯誤を繰り返した「数万回」という数字。
途方もない回数を重ねてやっと一つの技術を習得できたのです。
これは、あらゆる物事に通じていると思います。
たった数十回挑戦して「できない」と判断してはもったいない。
単純に練習量が不足しているからできないだけかもしれません。
続けてトライしていけば、うまくできるようになる可能性があります。
「とりあえず数千、数万回、何も考えずに挑戦する」という意気込みで物事に立ち向かっていくと良いかもしれませんね。
第3位 2019年4月12日「コツノートを見返したら偶然見つけた1つの真実」
「思いついたらすぐメモる」。
職人の世界においても、とても重要な行動です。
コツや感覚は驚くほど一瞬で忘れてしまいます。
なので、これはというものが見つかった瞬間に作業を中断し、コツノートに記入するようにしています。
メモを残すことは、昔の感覚と今の感覚を照らし合わせることもできます。
おもしろいことに、毎回メモを取っていると、以前書いたメモと同じ内容を書いている時があります。
つまり、重複するメモの内容が真のコツといえるのではなかろうか。
その真のコツを意識して練習を積み重ねていけば、技術習得がより早くなるのかもしれません。
メモを書き続けてきたからこそ発見できたものであり、技術は文字や言葉を駆使して習得を促させると確信した出来事でした。
第2位 2018年10月13日「童話「ウサギとカメ」のあらすじどおりにはいかない彫刻刀職人の世界
作業スピードをもっと高めるために、「彫刻刀の束ね方」の新しい方法を考えました。
そして、その方法が実際に有効かどうかを実験してみることにしました。
その結果、「新しい方法は今までのやり方と作業スピードが変わらなかった」ということが明らかになりました。
僕の仮説では、新しいやり方のほうが作業スピードが早くなると考えていたので、この結果にはとても驚きました。
残念ながら、新しい方法は不採用という形になりましたが、きちんと仮説を立てて検証したことで、正確なスピードを知ることができ、有効かどうかを判断することができました。
ただ漠然と考えるのではなく、しっかり理論的にまとめることが大切だということを学びました。
第1位 2020年2月12日「技術習得のコツをさらに発見!動作は『一対の関係』になっている」
何万回やってもうまくいかなかった、平刀の刃の表面を磨く作業。
それが、「消しゴムの消し方」をヒントにできない原因を導き出し、見事修正することができました。
うまくできないのには、必ず原因があります。
まさか消しゴムがヒントになるとは思いもしませんでしたが、常にアンテナを張っていたからこそ発見できたのかなと思いました。
技術習得の核心を突いたような出来事でした。
この記事は、動作技術を伴うすべてのものに通用すると思うので、ぜひ一度あなたに読んでほしいですね。
熟練職人になるために
これからも作業中に得た気づきなどをたくさん発信していきます。
少しでも誰かの役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。