「木を見て森を見ず」とはこのことか。【職人のたまご日記】

こんにちは。

職人のたまご、奥村です。

 

 

「木を見て森を見ず」とは、このことか。

 

「どうやるか」ばかり考えていた

最近の僕の作業。

小丸刀の刃の形を整えています。

 

(写真:サンドペーパーで刃を整える様子)

 

高速回転するサンドペーパー。

刃先を少し当てただけで、がっつり削れてしまう。

だから、角度や力の微調整が必要になります。

 

(写真:左が正しい形。削りすぎて失敗することもある)

 

ちゃんと形を整えるために。

指先の動かし方が、とても大切。

 

だからいつも。

「指先をどう動かすか」

このことに神経を注ぎました。

 

(写真:指先の感覚を研ぎ澄ます)

 

「指先を、どう動かすか」

ここに大きな落とし穴がある。

最近、そう気づきました。

 

小丸刀とはなんぞや

(写真:小丸刀)

 

僕はこれまで、指の使い方や感覚を意識していました。

けれど…。

 

小丸刀の形のことを考えませんでした。

「どう動かすか」ばかりに気を取られていたのです。

 

(写真:小丸刀は丸みを帯びている)

 

肝心の小丸刀の形は、丸みを帯びています。

この丸みに沿って、刃を削らなければなりません。

 

なんか書いてある…

(写真:早速コツノートにメモしよう!)

 

「よし、これから丸みを意識しよう」

そう思って、コツノートにメモをしようとしたら…。

 

なんと。

すでに、「小丸刀の丸みにゆだねよう」というメモ。

書かれているではありませんか。

 

(写真:1か月前にも同じことを書いていた…)

 

書いても書いても、忘れてしまうのが人間。

コツノートをもっと何度も見直そう。

そう思った出来事でした。

 

小丸刀の丸みにゆだねると…

(写真:小丸刀の刃は小さく丸い)

 

カタチに逆らわず、丸みにゆだねてみる。

すると、気持ちよく滑らかな感触を得られました。

 

(イラスト:うまくできると気持ちがいい)

 

この気持ち良い感触が大事なんです。

上手くはまった時は、気持ちがいい。

上手くいかないときは、気持ちよくない。

 

 

今後は、丸みを感じることを意識しよう。

「丸み、丸み、丸み…」

念仏のように唱えるがごとく。

刃の形に身をゆだねようと思う次第。

 

ほじゃ、今回はこのへんで。