どうも、こんにちは。
職人のたまご、奥村です。
最近、底冷えするくらいに寒くなり、朝の出勤がつらくなってきました。
工場がある岐阜県関市の冬は、ものすごく寒くなると聞きます。
今年も残りわずか。
寒さの力を借りて、最後まで身も心もを引き締めて頑張ります!
(写真:義春刃物の工場)
さて、僕が義春刃物に入社して9か月が経とうとしています。
もう9か月なのか、まだ9か月なのかわかりませんが。
この9か月間は濃密な時間だったことは間違いありません。
仕上げ室に配属されて、彫刻刀を仕上げる日々。
仕上げとは「彫刻刀の刃部分を磨き、切れ味を生み出す工程」のこと。
(写真:仕上げ作業風景)
「彫刻刀の切れ味を左右する大事な工程」ということで非常に繊細な作業が要求されます。
そのため、仕事終わりは頭がボーっとすることが多いです。
また、僕は作業をしても上手に仕上げられないことのほうが多いと思っています。
例えば10本仕上げたら、納得がいくのは3,4本程度。
残りは何かしらの課題が出てきます。
まだまだ技術を磨いていかなければならないことが山ほどあるということですね。
(写真:熟練職人の道のりは長く険しい)
何年もの修行ののち、やっと一人前になれる職人の世界。
「長い目で見て技術を磨いていけばいい」
「あせらなくて大丈夫」
確かに、あせってめちゃくちゃに作業をするよりも、1本1本丁寧に仕上げたほうが良いのは事実です。
けれど。
僕は考えます。
「あせらなくていいといっても、ゆっくり作業する必要はない」
1日に仕上げる彫刻刀は数千本。
膨大な数なのでやはりスピードは大切。
もちろん何年も続けていけばスピードはある程度は早くなると思います。
ある程度は、です。
僕はそれでは満足しません。
僕はこの仕上げ作業を極めたいと考えています。
極めるためにはある程度のスピードでは意味がありません。
誰が見ても「早っ!?」って驚くくらいのスピードを目指しています。
ゆっくり丁寧に仕上げることも大切。
ですが、意図的にスピードを早くして仕上げることも大切だと考えます。
「まだ職人のたまごだからゆっくりでも仕方がない」
なんてぬるま湯に浸かっていてはいけません。
ある程度、で良いのであればそれでもいいですが。
僕はイヤです。
どうせやるなら、とことんやる、没頭する。
その精神でこれからも頑張っていきたいと思っています。
いきなり達人レベルのスピードはまだ無理なので。
とりあえずは「今仕上げられる限界の数+10本」
これを意識しながら作業に没頭します!
今、必死こいて仕上げているスピード。
これが数年後には鼻歌を歌いながらでもできてしまうスピードになるように。
今のうちから苦しみにドップリつかっていこう。
なんて、カッコイイこと言ってますが。
たまには苦しみから思いっきり逃げることもありますから。
良く言えば充電。
悪く言えばサボる。
うまくオンとオフをうまく使ってたまごの殻を破っていきます!
職人のたまごに、乞うご期待。