切れ味が付く直前・直後の刃先の状態を見てみよう!

こんにちは。

職人のたまご、奥村です。

 

今回は、「切れ味が付く直前」の刃先と「切れ味が付いた直後」の刃先を写真でご紹介します。

キーワードは、ずばり「バリ」です。

 

彫刻刀のバリを見てみよう

(写真:中丸刀の刃先のバリ)

 

上の写真の刃先をご覧ください。

なにやらギザギザしていませんか?

これが「バリ」と呼ばれるものです。

簡単に言うと、削りかすですね。

バリが付いた状態の刃には、まだ切れ味はありません。

 

これを仕上げの職人が切れ味を付けていきます。

切れ味が付いた刃先は下の写真のようになります。

 

(写真:仕上げ直後の中丸刀の刃先)

 

先ほどのバリがキレイさっぱりなくなってますね。

しっかり刃先を磨いてあげることでバリがとれ、鋭い切れ味が付くのです。

 

(写真:バリが残ってしまった彫刻刀)

 

しかし、仕上げが不十分だと、上の写真のように一部にバリが残ってしまい、切れ味が鈍くなることがあります。

実際に木版を彫ってみると、引っかかりが生じてしまい、気持ちよく彫れません。

 

バリを残さないために意識していること

 

僕が刃先をしっかり磨くために意識していることは3つあります。

  • 1本集中。
  • 刃先の磨き方のバリエーションを探る。
  • バフの環境を整える。

 

まず大前提として、1本を集中して仕上げます。

余計なことを考えず、魂を込めて刃先を磨くことで切れ味が鋭くなります。

 

刃先の磨き方も工夫ができます。

高速回転するバフに、何回当てれば最高の切れ味が付くのか。

刃先を磨きすぎないためには、何秒当てるのが最適か。

常に研究を重ねて、一番切れ味がよくなる磨き方を追究しています。

 

バフの環境を整えるのも大事。

バフは使っていくたびに硬くなってきます。

あまりに硬すぎると刃先が磨かれすぎて丸まってしまうこともあるので、常に最適な柔らかさをキープできるように手入れをします。

 

これからもバリをしっかり取り除けているかを確認しながら彫刻刀に切れ味を付けていきたいと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。