こんにちは。
義春刃物の彫刻刀職人、奥村です。
今回は、兄弟姉妹の「おさがりの彫刻刀」を使う際の注意点を2つご紹介します。
- 創業100年以上、学童用彫刻刀全国シェアNo.1の老舗彫刻刀メーカー。
- 熟練職人が彫刻刀を1本1本手作業で仕上げており、切れ味は一級品。
- 近年は、夏休みや冬休みの工作におすすめの新感覚彫刻アート「シャインカービング」にも力を入れている。
もくじ
小学生がおさがりの彫刻刀を使う際の注意点
「おさがりの彫刻刀」で、注意しなければならない点は2つあります。
- 彫刻刀の切れ味が悪くなっていないか
- お子様の意思を確認してみましょう
まず、ダンボールなどで試し切りをしてみましょう。
もし切れ味が悪くなっていた場合は、対策が必要です。
彫刻刀の切れ味が悪くなっていないか
対策1.砥石で研ぎましょう
(写真:砥石で三角刀を研ぐ様子)
切れ味を復活させるために、砥石で研ぐことをおすすめします。
彫刻刀は、使えば使うほど切れ味が落ちてしまいます。
砥石でしっかり研ぐことによって、新品同様の切れ味がよみがえります。
対策2.新品を購入しましょう
(写真:当たり前ですが、新品が一番切れ味が良い)
砥石は、通販で購入することができますが、やや割高です。
砥石を買うよりも、新品の彫刻刀を購入したほうが良いかもしれません。
「研ぐ」という手間も省くことができます。
切れ味の悪い彫刻刀はケガのリスクがある
(写真:どんな形の刃でも切れ味が大切)
例えば、お子様に包丁を使わせたいとき。
包丁の切れ味が悪いと、切るときに余計な力を入れなければなりません。
そうなれば、指を切ってしまう危険が高まります。
彫刻刀も同じです。
切れ味の悪い彫刻刀は、木を彫るときに余計な力が入ります。
すると、何かの拍子に木版からすべってしまう可能性があります。
自分の指を切ってしまったり。
近くにいる友達を巻き込んでしまったり。
勢い余って、ケガをしないように注意が必要です。
子どもの安全は「良い切れ味」が守る
(写真:義春刃物の熟練職人が1本1本手作業で切れ味を付けています)
彫刻刀を安全に使うには、「切れ味の良い彫刻刀」を使うことが大切です。
もしお子様におさがりの彫刻刀を使わせたい場合、「切れ味が悪くなっていないか」を必ずご確認下さい。
お子様の意思を確認してみましょう
(写真:よしはる製の彫刻刀は切れ味、耐久性ともに抜群!)
彫刻刀を長く使ってくださるのは、彫刻刀職人として本当にうれしい限りです。
それでももし、お子様が「新品がほしい」と言ったら、まずは耳を傾けてあげてください。
そして、なぜお下がりを使わせたいのかを説明してあげてはいかがでしょうか。
「物を長く使うことができる」ということは、「物を大切に扱っている証拠」ですし、本当に素晴らしいことだと思います。
私自身も少しでも長く愛用してもらえるよう、魂を込めて彫刻刀を作っていく次第です。
この記事がお子様の安全で楽しい版画づくりの一助となれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
彫刻刀の選び方をもっと知りたい方は、下記のページへGO!
はじめまして。学生の時に使っていた「よしはる」の彫刻刀が出てきました、まだまだ使えそうなのですが、切れ味は落ちていると思います。研ぎに出すのはどこでしていただけるのでしょうか?
家には研ぎ石がありません。
この度はコメントしていただきありがとうございます。
ご質問の回答ですが、「よしはる彫刻刀(付鋼製)」の研ぎ直しは弊社にて職人が行っております(※全鋼製の研ぎ直しは致しかねます)。
研ぎ直したい彫刻刀を弊社宛に郵送していただくことで、職人が再仕上げを行います。その後、研ぎ直した製品を郵便振替の用紙とともにお送りします。お手元に用紙が届きましたらお手数ですが郵便局で料金の支払いをお願い致します。
ちなみに、付鋼製の彫刻刀は1本税込み77円で研ぎ直しを承っております(本職用の彫刻刀の場合は1本税込み220円)。ご不明な点がありましたら0575-23-3000までお問い合せ下さいませ(営業日は平日8時~
~17時)。