義春刃物で取り扱っている彫刻刀の材質は大きく分けて下記の2種類があります。
①全鋼製
②二層鋼製(付鋼製)
この2種類は材質の特徴が異なります。
①全鋼製の特徴
(全鋼製のマルイチ彫刻刀)
全鋼製の彫刻刀は材質に一般的な鋼を使用しています。
十分な切れ味を持っており、通常使用においてストレスなく作業ができます。
一方、やや耐久性に劣るという特徴もあります。
さらに全体的に硬く、彫刻刀を砥ぐ際にはやや時間がかかります。
全鋼製の鋼は一般的に手に入りやすい材質です。
したがってコストパフォーマンスは良いといえるでしょう。
②二層鋼製の特徴
(二層鋼製のよしはる彫刻刀)
二層鋼製の彫刻刀は、名前の通り二層の金属が合わさっています。
下層には鋭い切れ味を生み出す「特殊鋼」が使用されています。
「特殊鋼」は非常に硬い材質です。
上層には粘りがある「軟鉄」が使用されています。
粘りがあるということはそれだけ耐久性にも優れます。
つまり二層鋼製の彫刻刀は鋭い切れ味を誇り(特殊鋼)、耐久性にも優れている(軟鉄)ということです。
優れものの二層鋼製ですが一つ注意点があります。
それは汗や水分に弱いということです。
彫刻刀に汗や水分が付着したまま放置すると、サビてしまう可能性があります。
なので、使用後は乾いた布などでお手入れするとよいでしょう。
全鋼製か二層鋼製どちらを選べばいい?
おすすめは二層鋼製の彫刻刀である「よしはる彫刻刀」です。
(よしはる彫刻刀)
切れ味が鋭く、木を削る際も非常になめらかです。
このなめらかさを一度は体験していただきたいくらい、おすすめです。
かといって全鋼製が悪いというわけではありません。
全鋼製の彫刻刀でも十分な切れ味を有しているので木を削るには全くに支障はありません。
価格でいうと、全鋼製のほうが安く、二層鋼製のほうが高くなっています。
義春刃物の彫刻刀は1本1本を職人が丹精込めて仕上げています。
職人の技と魂が込められた義春刃物の彫刻刀をぜひ、お試しいただけたら嬉しいです。
執筆者:奥村(職人)
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